2002年11月20日(水)深夜(乃ち殆ど21日)、営団中野車庫に保存されていた丸ノ内線300形301号が、地下鉄博物館の展示に供されるために葛西まで陸送されました。数ある鉄道車両の陸送の中で何故かマスコミの注目を浴びたこの作業、そのお陰で日程が報道されたために私も追跡を試みることが出来ました。
ルートは右図の通りで、0時直前に中野車庫を出発、2時過ぎに葛西駅到着というものでした。環七に入ってからの走行速度がかなり速かったために追い付けず、環七上の写真は皆無です。御了承下さい。また、夜間に動いているものをフラッシュ無しで撮影した関係上、ぶれてばかりですが御理解下さい。
NN4等のスタイルシート対応が不完全なブラウザでなければ、右図の黄色い矢印をポイントすればそれぞれの場所の様子が見られます。更にクリックすると拡大写真を表示します。
廃車当初小石川車庫で保存されていた同車は94年に中野工場に移され、小石川時代共々屋内に隠され続けていましたが、99年頃公道から見える位置に展示スペースが設けられ、ここに置かれるようになりました。とは言っても外からの観覧を考慮した構造とは言い難いものでしたが。扉には猫が尻尾を挟まれている絵の「ドアに注意!」ステッカーが貼られたままでした。(写真:02/6/1)
移動当日の出発直前にしか行っていないのでいつ準備されたのか分かりませんが、展示場所の南側、東側の公道と工場建屋の間の空間に相鉄運輸のトレーラーに載せられ待機しています。複数のマスコミが取材を行っていて、車輛前でレポートしている姿も見られました。
23:42頃一旦動き出しました。正面玄関前は小さなロータリーとなっているために小回りが利かないことには通行が困難ですが、トレーラーの後部台車はリモコンによる操舵が可能なため、これを利用して通過。南東門へのスロープの中腹まで移動して停止しました。わざわざ発進が大変な上り坂の途中に停止するとは・・・。
23:59、テレビ中継も盛んに行われる中遂に出発。門の周りにはかなりのギャラリーが集まっています。大きく反対車線にはみ出しながら新宿方向へ左折し走行開始。時速20km/h程度でしょうか。
因みに車列は先導のバン1台、本題のトレーラー、点検要員輸送兼後部監視用と思われるトラック。思ったより少ない台数です。但しその後ろには、報道関係のものか乗用車がぞろぞろと・・・。
0:07、清水橋交差点到着。清水橋交差点では、山手通りの反対車線に侵入する形で左折(首都高速工事の関係で中央線部分にはコーンが並んでおり、はみ出ず完全に反対車線に入る必要あり)。少し進んでこのコーンが途切れた所で北行車線に復帰します。
その後は右側車線を走行。周囲を一般車の通行規制をすることもなく、一般車は脇からどんどん抜いて行きます。
目白通りに入るのに中落合2丁目交差点から新目白通りに左折せず、その先の南長崎1丁目交差点から方南通り並に幅員の狭い(旧)目白通りに入り、西落合1丁目交差点で右折するという遠回りで右左折が鬱陶しい経路が選択されました(特に南長崎1交差点は鋭角左折)。中落合2交差点が交通島で細かく分画され、長大トレーラーが曲がるのが困難だったためと思われますが、そもそもわざわざ豊玉まで回らずに山手通り〜中山道を直進して大和町から環七に入ればいいと思うのですが・・・。
西落合1で右折して暫く進んでから左側に寄せて一旦停止、積荷の点検と休憩で数分停車しました。この間どこぞの局のインタビューが行われていました。
豊玉陸橋交差点で右折して環七に入ります。環七に入ってからはスピードを上げ、それまではこちらが先回りして交差点で待ち受けるという状態ですらあったのが、自転車で追い付くのは到底困難になってしまいました。報道では時速30km程度で走行と出ていましたが、50km/hくらいは出ていたと思われます。このため、小茂根附近の写真を最後に引き離され、結局葛西に到着するまで追い付けませんでした。
私が息を切らして葛西駅前に到着したのは2:10分頃。中野と同じくこちらにも野次馬が集まっていて、話し声を聞くに5分ほど前に到着したようです。まずは高架下に留め置かれて暫く待機。
そして博物館への搬入開始です。右図に示すようにバス乗り場の位置まで南進し、ここからはトレーラーの後部台車をリモコンで操舵しながらバックで博物館に入ります。リモコン操舵で進入方向の誘導は勿論、敷地内に入ってから車輛の向きを直角にすることが行われました。最終的にトラクタヘッドとトレーラーが直角になっている状況は、後部台車制御無しには実現不可能だったでしょう。
搬入が終わるとトラクタヘッドが離脱し、続いて連結器をフォークリフトで撤去、そして車体の下に車体を支える仮設の台が挿入され、トレーラー台車が引き抜かれました。
搬入作業中からテレビ局の中継作業が見られ、作業が終わると担当者に複数の局が順番にインタビューを行っていました。また一般人にもインタビューを行っていましたが、不健全にも深夜に見に来ている子供にインタビューはどうかと思わなくもないですが。
さて、搬入されてから半年余り、2003/6/1に地下鉄博物館はリニューアルオープン、勿論301号も展示に供されていますが・・・小生は未だに見に行っておりません(汗