2002/5/8設置 6/3更新(Expreso Singer時刻表掲載)
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Expreso Tigre Iguazu時刻表 ■表紙(左)拡大 ■時刻表(右)拡大 ※どちらも約280KBと重いです! |
Expreso Tigre Iguazuの乗車券 ■表(左or上)拡大 ■裏(右or下)拡大 |
我々はブエノスアイレスとイグアスの往復に長距離バスを利用しました。往きは表題のExpreso Tigre Iguazuと言う会社を利用。ここを選んだ理由は単純なもので、この日は朝ウシュアイアを飛行機で発ち昼過ぎにブエノスアイレスに到着したのですが、事前にイグアス行きの表示のある会社を全部当たって時刻表を確認したところ、飛行機到着後割と都合よく発車する便がこの会社だったからです。
時刻表は左の画像を御覧下さい。文字が完全に読めるようにスキャンしたら随分大きくなってしまいました。また、縦長でスキャナに1回で収まらないので継ぎ接ぎです(汗。
事前に聞いたときは学生割引45ペソ也と言われたと思ったのですが、いざ当日購入の段になると何も言われず47ペソ。まぁいいか。それにしても千数百キロもの距離が4000円しないわけですから、実に安い。切符の画像を右に掲載しましたが、裏に払戻手数料が書いてあります。「24時間前から出発まで:30%、48時間前から24時間前まで:40%、それ以前:10%」だそうですが・・・何故出発直前の方が前日より安いのでしょう・・・?
切符を買うと乗り場を案内されますが、きっかり番号を指定されず50〜52と言われたのがご愛嬌。我々が乗車したのはRetiro15:00発の便です。バスは定刻よりやや遅れてやってきました。しかし案内放送もきちんと理解できなかったため、乗り場が急に変更になって乗り遅れたか、などと心配してしまいました。
Expreso Tigre Iguazu@Retiro ■拡大 |
後輪上のトランクルームに荷物を預けると、照合用の荷札をくれるので一応盗難紛失の確率は高くは無いと見ていいでしょう。車両は1、2階とも4列シート。1階最後部に出入口があり、そこに階段がある日本でも標準的な構造。この部分には給湯器とトイレがあります。給湯器は3つの口があり、一つが水、二つがコーヒーでした。コーヒーは何故かはじめから砂糖がたっぷり入ってます。私のような甘党はそれで寧ろ嬉しいのですが、砂糖入り強制だなんて、ブラック派はこの国にはいないのでしょうか??
車内は、シーズンではないのか、供給過剰のせいか、空いていました。そのお陰で4列シートながら反対側の2席を占拠してゆったり眠ることが出来ました。座席は東北急行の車両程度でしょうか。18時間掛かりますから、私のような余程のバス好きでないとちょっと辛いかも知れません。
下に車内の写真を掲載しました。テレビモニターは最前部と中程の2台。左写真の右側に写っているのが中程のものですが、これが90度回転して後方に向きます。ドジな私は飲み物を取りに行く際にこれに頭をぶつけました(汗。
右写真、背凭れの後ろに付いているのは、日本の感覚だとフットレストでしょうが、これはレッグレストです。足を脇にどけて出し入れしなければなりません。また、コップ受けはありますが、テーブルはありません。
車内 ■拡大 | 車内 ■拡大 |
ブエノスアイレス市内の高速道路 ■拡大 | 州境付近の川 ■拡大 |
2車線区間で追越中 ■拡大 |
上左はブエノスアイレス市内の高速道路です。制限速度は区間によってまちまちですが、130kmという所もありました。尚、最高速度標識は日本と殆ど同じですが、最低速度標識(大抵50km/h)も頻繁にあり、これは赤縁に青地、白抜き数字と言う様式でした。日本の駐車禁止から斜線を取って数字を書き込んだと思って頂ければ結構です。
右はブエノスアイレス州とお隣エントレリオスEntre Ríos(Rios)州の境附近の川です。具体的な位置が分からないので名前が分かりません(汗。川は大型船舶を用いた水運路として活用されているためでしょう、道路は非常な高所を通過する斜張橋となっていました。また、分かりづらいですがガードレールの奥には単線線路が並行しています。この線路が存命なのかどうかは定かではありません。
道路はブエノスアイレスから離れるに従って段々車線を減らし、遂には左写真のような片側1車線となります。ここのバスはなかなかアグレッシブで、このように前の車を反対車線からどんどん抜き去っていきます。因みにこの道路は、高速道路かと思いきや民家が接していたり交差点があったりで、かと思えば料金所もあります。料金所があるのは「地域間の移動料」みたいなものなのでしょうか。
この路線は、長時間の乗車となるので食事のサービスがあります。下左写真はそれを撮影したもの。テーブルがないと先に書きましたが、それを補うため、裏に膝の窪みが付いたテーブルを配ってくれます。これを膝の上に置けば一応安定してまぁいい具合。食事内容は機内食をちょっとお粗末にしたような感じです。左上の蓋をしてある物はデザートで、アメリカで出てきそうな大味なプリンです(汗。この食事は17時頃に出され、更に翌朝サンドイッチが配られました。
車内では、映画が2本上映されました。どちらもアメリカ映画でしたが、全然知らないものだったのでタイトルすら覚えていません。暗くなってからの上映だったので一応時間潰しにはなりましたが、当然のことながら英語音声にスペイン語字幕。しかし、英語が聞き取れる部分は字幕も平易で理解でき、英語が分からない所はスペイン語も分からない。世の中上手く行かないものですねぇ(汗。
途中休憩は、夕方にドライブインで1回しただけで、後はひたすら缶詰です。本当に苦手な人にはとことん向いてない旅行ですね。
イグアスが近くなると、何箇所か検問があります。国境附近なので厳重に警戒しているのでしょう。特に一番イグアス寄りの検問所では、兵士が実際に車内に乗り込み、乗客の身分証明書を確認しますので、パスポートの用意をお忘れなく。間違ってもトランクに預けたりしないように(ぉ。
バスは9時過ぎ、ほぼ定刻に終点プエルトイグアスPuerto Iguazú(Iguazu)のバスターミナルに到着しました。
食事サービス ■拡大 | Puerto Iguazú(Iguazu)ターミナル ■拡大 |
Expreso Singer@Puerto Iguazú(Iguazu) ■拡大 | Expreso Singer@Posadas ■拡大 |
Expreso Singer時刻表 ■南行(上)拡大 ■北行(下)拡大 ※どちらも約100KBと重いです! |
Expreso Singerの乗車券 ■表(上)拡大 ■裏(下)拡大 |
帰りは、イグアスの滝を見た翌日、最早用のないこの町を一番早く出発する便、且つ往きと違う会社と言うことでこの会社を利用することになりました。どうせなら贅沢をしてみようと言うことで、Cama Totalつまり完全寝台と謳われた座席を取ってみました。こんどは58ペソです。
出発は11:30、終点ブエノスアイレス到着は翌朝7:15が定刻です。往きと随分所要時間が違います。今度は時刻表が2部貰えなかったので私の手許には無かったのですが、B氏がその貴重な一部を寄贈して下さったのでここに公開致します。往きの会社と経由地に書いてある地名も随分違います。実際に違う所を通ったのかどうかよく分かりませんが・・・。また、ここで気付いたのですが、バスの方向幕(この会社など、一部の事業者が前面に装備しています)も、バスターミナルの時刻表も、行先は「Retiro」であり、ブエノスアイレスとは一言も書いてありません。日本で「新宿」とか「梅田」と注釈無しに言うようなもので、それだけ全国的に有名な地名ということでしょうか。
Cama Totalは1階部分が宛がわれていました。この車両は前輪直後に扉があり、入って右側、つまり前側に2階への階段、左側、ホイールベース間がCama Totalです。出入台とは扉で仕切られています。2+1の3列シートが2列の僅か6席。しかも我々の他にブルジョアな選択をする人は居らず、完全貸切状態でした。有難や有難や。尚、例によって出入台の部分にトイレと給湯機があります。やっぱりコーヒーは甘かったです・・・。
出発すると、冷房が利きません。急遽市内の車庫に入り、10分ほど修理するという一幕もありました。また、名目は分かりませんがイグアスが属するMisiones州の州都Posadasの車庫でも休憩を取り、そこで撮影したのが右上の写真です。方向幕が御覧頂けると思います。側面の「SINGER」の文字の右側に白黒のステッカーが貼ってありますが、これはコレクティーボに貼付されているものと同様式で、一部長距離バスに貼付されています。むしろ全車でない所が気になりますが。尚、ここの休憩の直後にこの地のバスターミナルに停車するので、車庫での休憩とするのもいまいちよく分かりません。
Cama Total室内 ■拡大 | Cama Total室内 ■拡大 |
寝台状態 ■拡大 |
室内を御紹介しましょう。座席は飛行機のファーストクラスといった感じでしょうか(座ったことはありませんが)。「完全寝台」の名に偽り無く、フルフラットになります。レッグレストは往きのバスと同様に前側に付いていて、上側を手前に倒し、次に下側(前側)を持ち上げて水平にする、という手順で使います。枕もあり、全く快適です。ただ1階なので眺めが利かないことが難点。これが一般席である2階と4ペソの料金差しかないことの原因でしょうか。因みに下右に写真を掲載しましたが、2階も3列シートです。2階席がSemi Camaといわれる代物だと思いますが、こちらが日本の一般的な夜行バスと同等と見ていいでしょう。尚、やはりテーブルはありませんが、我々が座った前席はその前に業務用の小物入れがあり、その上を荷物置き場として利用することが出来ました。
この便でもやはり映画が上映されました。やはりアメリカ映画でしたがまたタイトル忘れ(汗。何故か3回上映し、うち前2回が同じ物でした。手違いかな?
下左写真は夕食です。この便では15時頃にハムサンド程度の軽食、そして20時頃に夕食でした。温かいし、往きよりちょっと豪華かな。往きと同じく膝にセットするテーブルの上で頂くことになります。また、ワインも出ました。フランスのように水より安いとまでは言わないまでも、ワインが非常に安いこの国ではそれほど大騒ぎするサービスではないのかも知れませんが、しかしプラスチックの使い捨てコップで供されるコーヒーや紅茶と違い、ガラスのコップでした。根っからの貧乏性なのでこんなに贅沢していいのだろうかと罪悪感すら覚えました。尚、これらのサービスが階上と異なるのかどうかは分かりません。
レティーロ到着は定刻より1時間も早くなりました。アルゼンチンは時刻帯が標準よりかなり西に寄っているので、日の出も日の入りも遅いです。従って6時といえばまだ真っ暗。とはいえいつでもバスが発着するバスターミナルは店舗も24時間眠らないようで、軽食店で時間を潰してから市内へ繰り出しました。
食事サービス ■拡大 | 2階席 ■拡大 |