ブエノスアイレスのバス

2002/5/8設置 トップアルゼンチン紀行>現在地
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コレクティーボ Colectivo

Linea 7
7系統ノンステなど@Retiro ■拡大
Linea 59
59系統@Recoleta ■拡大
Linea 106
106系統@7月9日通り ■拡大
Linea 101
101系統@7月9日通り ■拡大
Linea 10
10系統@7月9日通り ■拡大

辞書によりますと、中南米ではバスのことをコレクティーボColectivoと呼ぶそうです。アルゼンチンでは、市中を走る一般路線バスがColectivo、長距離バスや観光バスがオムニブスOmnibusと使い分けられているようです。ブエノスアイレス市内のコレクティーボは、地球の歩き方によりますと約150系統あるそうで、路線毎に系統番号が付いています。そして、これらは路線毎に業者に免許が割り当てられるようで、殆どの場合会社と系統が1対1で対応しているように感じられました。会社により車体の塗装は様々で、従って慣れればコレクティーボの塗装で系統が分かることになり、考えようによっては便利かも知れません。しかし、路線網がさっぱり把握できず、また乗り方もコツがいると地球の歩き方に書かれていたので尻込みし、全く利用しませんでした。また、その本に存在が謳われていたコレクティーボガイドのような書籍が現地で全く発見出来なかったのが残念でなりません。これを買い求めて帰国後研究しようと思ってたのに・・・。

写真は何枚かありますが、細かいことが全く分からないので各々に解説を付けられません。左を眺めながらここをお読み下さい。

車両は、前面窓の上、日本のバスなら方向幕が付いている部分に系統番号と運行区間が固定表示されています。また、前面窓左下に可変の行先表示がある場合もあります。会社がその路線専門と言うことで、車体に直接系統番号がペイントされているものも多いですが、系統番号でない数字(車番か車両の型式か、よく分かりません)もペイントされていることが多く、混乱の元です。また、側面前寄りには、系統番号、運行会社、連絡先電話番号が書かれた共通書式のステッカーが貼られています。

車両前面には、旧型車ではベンツマーク、新車では「ED」を円形に図案化したマークを掲げたものが多くありました。「ED」とはEl Detalleの略で、アルゼンチンのバス車体メーカーです。旧型車はエンジンのメーカーを、新型車は車体のメーカーを前面に出しているということになりましょうか。外国に行くと日本車を見つけるのが私の楽しみの一つなのですが、ここは遠すぎるのか、一般車でも日本車は殆ど見ませんでした。況やバスをや。

東京と同じ気候とされるブエノスアイレスですが、物によらず冷房の普及率は低く、コレクティーボも冷房車は殆ど見ませんでした。それだけ冷房の普及率が低い文化ですので、たまに空調があれば殆どの場合「冷房Aire acondicionado」と明記してあります。たった一度だけAire acondicionadoと書かれたコレクティーボを見ましたが、それですらケチっているのか、窓全開で走っておりました。その一方ノンステップバスの普及率はかなり高く、1割くらいいるのではないでしょうか。しかしノンステであっても非冷房ばかり。なかなかシュールな光景です。

乗降方法は前乗り後降り前払いのようです。車内に券売機のようなものが置いてあり、運賃を支払うと運転手の操作によりその機械から切符が発券される仕組みのようです。各扉の外側上部には「入口」「出口」の意味の表示がなされている場合がありますが、それは入口が上向き矢印、出口が下向き矢印です。分かり易いと言えば分かり易い。前乗り後降りと言いましたが、後側の扉は真ん中に付いていたり一番後ろだったり、その両方だったりします。扉配置や車体種類によらず前扉と後扉は2枚折戸、中扉は4枚折戸ばかりでした。

尚、東京都心の都営バスの寂しさを見ている者にとって、ここのコレクティーボがいつでもどこでも大体乗客満載で走っているのはなかなか頼もしい印象を受けました。とは言ってもそれは東京と同程度の都市圏人口を抱えながら地下鉄僅かに5路線と言うことに代表される鉄道網の貧弱さの裏返しでもあるのでしょうけど。

尚、今述べた通りブエノスアイレスのコレクティーボには乗車しませんでしたが、イグアスで市内と滝を結ぶ路線に乗車しましたので、イグアスの滝の項目も御覧下さい。



Linea 6 Linea 50
6系統@San Nicolas ■拡大 50系統@San Nicolas ■拡大

長距離バス Omnibus

この国は長距離バス大国で、ブエノスアイレスではレティーロRetiroの鉄道3駅に並んで巨大なバスターミナルがあり、そこから無数の事業者によって全国各地へと路線が張り巡らされています。

Estacion de Omnibus Estacion de Omnibus
レティーロのバスターミナル ■拡大 ターミナルビル内部 ■拡大

上左写真は空港のターミナルビルです。嘘です。バスターミナルです。この建物は全長300mくらいあると思われます。ビルは3階建てで、1階が荷物窓口、この車寄せのある2階が乗り場でビルの反対側、3階が出札口となっています。乗り場は鋸型ホームで実に70以上、出札口は1事業者で複数のブースを占めている場合もありますが、それでも150ほどあったと思います。

出札口は通路に挟まれる形で細長く存在し、車寄せ側に向いた窓口が奇数、バス乗り場側が偶数の番号が振られており、一応方面別に色分けして纏められていますので、入口の地図を見て目的地がどの分類に属するか調べ、それから該当ブースを片っ端から調べることになります。ピンぼけですが、右写真は3階車寄せ側の通路です。恐ろしく長い通路であることをご紹介したかったのですが、通行者が多くて上手く行きませんでした。こんな建物内部でも自転車を持ち込む人がいるのにはびっくり。

尚、蛇足ですが、左写真に「E」と書かれた標識が写っていますが、これは日本や英語圏での「P」に相当。Estacionarという動詞の頭文字です。語感からすると「駅する」という感じになりますが、なるほど納得と言えなくもない。手前の赤斜線を引いた標識が駐車禁止、奥の青地標識が停車場所と言う意味です。因みに駐停車禁止はEに×です。日本と同じ感覚ですね。尚、「駐車場」はEstacionamiento、やや略した言い方ではEstacioneと表現します。

Estacion de Omnibus
バスプール ■拡大

左写真は、バス乗り場裏側のバスプールです。これは鉄道駅側の出入口から眺めることが出来る光景です。ここは沢山のバスを一度に眺められますが、かなり遠景となりますので観察にはあまり適していません。やはり乗り場で次々に発着するバスを眺める方がよいでしょう。バスは2階に位置する乗り場へ、写真では殆ど分かりませんが手前にある車路を経由してアプローチします。荷物窓口が1階にあることから、ここはその積み降ろし場所でもあると思うのですが、よく分かりませんでした。

下4枚は乗り場から撮影したものです。何枚か撮った中から何とか見るに耐えるものを御紹介しております。とにかく無数のバリエーションの車両がやってきますので、眺めていて飽きないと言えば飽きませんし、飽きると言えばすぐ飽きます(ぉぃ。写真も撮り続ければきりがないですが、192Mものメモリを持って行きながら旅行終盤に不足気味になってきてしまったのでそうも行きませんでした。

御覧の様に、2階建てバスが主流です。全長は12mである日本と変わらないと思いますが、実際に乗車して頭が殆ど支えなかったことから、全高は4.2mではないでしょうか。2階建てバスの乗降口は日本の大抵のものがそうであるのと同様、中扉となります。しかし中扉の位置は前輪直後だったり、1階客席部最後部だったりとまちまちです。トランクルームが後輪の上にあります。運転席部分は前輪以降の客席部分と基本的に隔離されている(一応行き来は出来るようになっています)のが一般的のようで、運転席部分は左右に扉があります。また、業界での激しい競争がそうさせるのでしょうが、車体にはトイレ、飲み物など車内の設備を表すサインを描いているものが多いです。

尚、乗り場は流石に数が多いのでかなり空いていて、バスで溢れるといったことはありません。また、この国は道路にバンプを設置するのが大好きで、このような専用車両しか通行しないところにも設けてあります。従って通行するバスの遅いこと遅いこと。

左下のFlechabus(flechaとは「矢」の意)は、印象では最も多く見たバスです。この会社はほぼ1台ごとに全て違う車体デザインとなっていて、この会社だけでも見ていて飽きません。

Flechabusの他にも、私が社名を控えて帰国後ネット検索でホームページの存在を確認できたものを以下にご紹介致しますので、ご旅行のご参考になさってください(笑)。
Estrella Condor
QueBus 隣国ウルグアイの会社らしい
Viajenbus
Expreso Ruta 9

Estacion de Omnibus Estacion de Omnibus
Condor Estrella ■拡大 Crucero del Norte ■拡大
Estacion de Omnibus Estacion de Omnibus
FlechaBus ■拡大 Central Argentino ■拡大

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