ブエノスアイレス地下鉄(2)

2002/5/8設置/11/5小修正
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C線 Línea C

Type 300 Original type
元東山線300形 ■拡大 生え抜きの現地車両 ■拡大

C線は6両編成。元東山線の車両と、元からのブエノスアイレス車両の両方が使われており、その数は同じくらいのようです。車体長名古屋車15.6m、生え抜き17m、前者は3扉、後者は4扉。しかし整列乗車を呼び掛けてるわけでもなく、そんなことはどうでもいいようです。上の2枚は郊外鉄道3路線と、長距離バスのターミナルでもある、C線の終端駅Retiroの降車ホーム側で撮影。C線の終端駅はどちらも櫛型ホーム3面2線となっており、真ん中の島ホームが乗車ホームで、外側ホームは降車ホーム、そして降車ホームには改札が設けられていません。そのお陰で障害少なく電車を見渡すことが出来ます。流石にホームまで立ち入るのは気が引けたので乗車ホーム改札の延長線上より先には侵入しませんでしたが。

今回はぶれている上に柵に掛かってしまっていますが、柵をクリアした上に編成全体を写すのが結構面倒だったのでご勘弁。

生え抜き車両は上の写真のような茶色を基調とした塗装でしたが、東山線車両の転入に合わせたのか、殆どが黄色に塗り替えられています。また、塗装に全く変化の無い丸ノ内線車両と違い、東山線車両にはご覧の通り帯が入れられています。東山線車両の助士側窓には行先板が掲げられており、これはB線と違いきちんと折返しの際に交換している模様。

尚、ここの地下鉄で第三軌条集電方式なのはB線だけで、他は架空線集電です。東山線電車も、パンタグラフを載せるという改造を施して使用しているわけです。そのくせ郊外線は第三軌条式が主流で、それで踏切も普通にあります。ちょっと怖いかも。

また、車両はCDE線相互で共通使用としているようですが、その弊害か、C線に乗ったのに車内の路線図がD線というようなことが何度かありました。

Original type Type 300
現地車両塗替え版 ■拡大 300形 ■拡大
Type 300
300形側面 ■拡大

こちらはもう一方の終端駅Constitución(Constitucion)で撮影したものです。この駅は地上の郊外線ターミナルともども何となく薄暗く、地下コンコースはニューヨーク地下鉄のような雰囲気でした(偏見)。それを打開すべく?目下改良工事中で、完成すれば地上駅構内と地下鉄コンコースが吹き抜けとなって明るくなる模様。

上左は現地車両の黄色塗替えバージョン。右は先の写真と何ら意味合いは変わりませんが、逆側であり、またどちらも柵に掛かっているので、二つで補完する意味で掲示(汗。左写真は名古屋300形の側面。ホーム上で赤く光っているのは、発車時刻までの時間を示した表示器です。何と秒単位で刻々と変わります。C線の両始発駅でその存在を確認しましたが、もしかしたら他の路線にもあったかも知れません。

写真では見辛いですが、左側、柱と天井の接する付近に長手方向にラインカラー(青)を地色とした駅名標が取り付けられています。これはホーム全長に亘って連続する筐体で、これが駅構内で大きなアクセントとなるため、他の部分を改装していない駅でもこれが設置されただけで結構綺麗に見えます。この改装は、丸ノ内線車両が当地にお輿入れした際にB線=赤というラインカラー設定を行い(それ以前はラインカラーが違った筈)、その後開始されたものと思われ、都心側の駅を中心に行われています。白地の部分は路線図ですが、「当駅」の表示が無いので、私のような者には自分が今路線のどこに居るのかというのがすぐに掴めずちょっと不便な代物です。



Type 300 Type 300
名古屋車車内 ■拡大 車椅子スペース ■拡大
Type 300
妻面 ■拡大

名古屋車の車内写真です。左上の車内表示器は前頁で述べたバージョンアップ版で、撮影時は時刻を表示。そう言えば日本の鉄道車両で、車内に時計があるのは少数派ですよね。その意味ではこちらの方が先進的と言えましょう。次駅表示もこちらの豪華版は「Próxima(Proxima) Estación(Estacion) ○○」、駅停車中は「Ud. está(esta) Estación(Estacion) ○○」(あなたは○○駅にいます)などと文としての体裁がやや整った形の表示です。このような文やら時計やら出口案内やらが次々に表示され、同じ文字の表示でも色が変わったり、出口案内の矢印が動いたりするので、とにかく派手な演出です。

右は改造で設置された車椅子スペース。マットを敷く必要性がいまいち分かりません。固定用のベルトというのも日本ではあまり無い装備ですが、こちらは軌道の状態がよくなく、よく揺れるから必要なのでしょうか。というより日本が立ち席スペース増加の手段としてこれを使っていて、所期目的の使用のことを軽視しているだけかも知れませんが。

左は車端部です。この連結部は幌が取り外され「通行禁止」となっています。扉が開き戸で鍵が付いてますが、幅広貫通路を塞いで、錠を取り付けやすい形の扉を取り付けたのでしょうか。実は私は名古屋地下鉄に一度も乗ったことがないので、この電車との対面は初めてです。よって名古屋現役時代の姿については推測ですので、多分に誤りを含むかも知れませんが御了承下さい。また、その場合は御教示頂けると幸甚です。

丸ノ内線車両の貫通路はそのようなことはされずに、普通に通行可能でした。尚、幅広で扉のない状態のままで通行可能となっている連結部もあります。です。また、画面左の座席下に「消火器」の文字が見えます。この日本語表示は撤去せずにそのまま使っているわけです。勿論スペイン語での表示もありますが。

そう言えば、旧型車の車内写真がない(汗。旧型車は扉間に片側につきボックスシート2組ですが、扉側の座席は1人掛けです。ということはボックスという言い方は語弊があるかも知れませんが。この1人掛けの座席は、大抵の人が壁を背にして座っています。座席は木製で正規の背凭れに寄り掛かるのと硬さは同じですからねぇ。車掌は車内中央側の扉の脇に立っていたと記憶。電車が停止する前に扉を開けるんでちょっと怖い。



A線 Línea A

Oldest car Oldest car
外観 ■拡大 車内 ■拡大

A線は路線名からも明白な通り最古の路線で、1913年の開業です。東京地下鉄の視察団が訪れたのがこの路線と言うことになります。車両もどうもその開業当初からのものが主に使われているようです。見たところ完全に木製。火事になったら怖い。扉は半自動で、車掌がロックを解除したら客が手で開けます。最初はこれに気付かず乗り遅れるところでした。車掌は一番前の車両の中扉の位置に立っています。運転士と雑談するためでしょうかね(ぉ。この半自動扉がまた怖い代物で、なんと反対側の扉のロックも解除されてしまいます。まぁ架空線集電なので誤って反対側から転落しても感電の恐れがないことが救いでしょうか。全車両運転台車の模様で、5両編成で運行されています。しかし、駅の停止位置表示に「5」と「11」がありました。11両などと言う長大編成が収まるホームでは無いように思うんですが・・・。もしかしたら1に見えたものは数字ではなく何か別の記号なのかも知れませんし、よく分かりません。この他にやや新し目の車両(→公式ページ)も見かけはしましたが動いてはいませんでした。ラッシュ限定でしょうか。

Plaza Miserere駅は郊外線Sarmiento線の始発駅Onceと同一です。これとC線のRetiroを始発とする郊外線Mitre線はTBA(Trenes de Buenos Aires、直訳するとブエノスアイレスの列車)の運営です。同一と言っても前述のB線の終点Federico Lacrozeと同様、地下鉄は地下、郊外電車は地上の大ターミナルとなっています。地下鉄駅は島式2面4線と、その北側に片面ホーム1面1線の大駅ですが、その一部に何故かこのMitre線の電車が止まっています。地下鉄は架空線集電、郊外線が第三軌条集電と言う日本の感覚とはまるで逆の事態となっていますが、それ以前に地下に郊外線の車両を乗り入れさせている意味が分かりません。もしかしたらラッシュ時などに郊外線を地上駅でなくここに乗り入れさせ、乗り換えの便宜を図っているのでしょうか。因みに、地下鉄線は島式2面のそれぞれ外側を使用していて、どちらもホーム縦断方向が中央で柵で仕切られています。

A線には片方向のみの駅が2駅あります。Alberti(西行(郊外方向)のみ)とPasco(東行(都心方向)のみ)と言う隣接する2駅です。この2つは駅間が短く、またそれぞれの駅は反対方向のホーム跡を見てとれることから、駅を片方ずつ廃止し、2駅で1駅分の機能を担わせるようにしたものだと思われます。しかし公式ページの経路検索では片方向にしか乗れないと言うことを無視した大胆な検索結果を出してくれます(笑。

また、終点Primera Juntaから先はまだ線路が続き、何と路上を通るようになります。これについては後述します。


D線 Línea D

Type 250 Type 250
250形 ■拡大 250形車内「ドア注意」 ■拡大

D線では、東山線250形に遭遇しました。この形式は前面に方向幕が装備されていますが、こちらでもちゃんと稼動している模様。左の写真はD線の郊外側終点Congreso de Tucuman駅でのものです。D線は郊外側の端から4駅がこのようなコンコース階まで一体の高天井で開放感があります。またこの駅はホームやコンコースのあちこちに展示ケースがあり、食器やら小物入れやらいろいろなものが展示してあります。スペイン語での解説もありますが、そんなもの読んで理解できるほどの語学力はありません(死亡)。従ってどういう意図でそれらをここに展示しているのかもまるで不明。また、線路対向壁にも胸像を飾ってあります。

尚、事前に公式サイトでD線には新車(→公式ページ)が走っていると知って、それに期待していたのですが、終点まで全然すれ違わない。終点のこの駅の奥は留置線になっていますが、そこを覗き込んだらサボっておりました。残念。

右写真、ドアの日本語警告表示シールが、一部完全に剥がされずに残っておりました。どうせ残すなら、営団の猫が尻尾を挟まれてる絵の方を残して欲しかった・・・

Argentino
生え抜き車両車内 ■拡大

D線の生え抜き車両車内です。今度は外観の写真がありません(汗。外観は公式ページ参照。座席はFRPです。




ところで、E線の項目がありませんね。何故かと申しますと、写真が1枚もないのです。はい。C線と代わり映えしないと早合点してしまったもので・・・(汗 と言う訳で公式ページをご参照下さい。記憶が確かなら、私が乗車した車両はこれです。

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