ウシュアイア(市内) Ushuaia

2002/11/5設置 トップアルゼンチン紀行>現在地
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概要

ウシュアイア中心部San Martin通り ■拡大
高台から中心地・港を望む 右手奥は空港 ■拡大
市街地にある世界各地への方角距離標識
東京17017km ■拡大

ウシュアイアは南緯55度、マゼラン海峡の南にあるフエゴ島Tierra del Fuegoの南端に位置するアルゼンチン最南端、地球でも最南端の「都市」です。尚、地球最南端の「集落」はもっと南で、ビーグル水道Canal Beagleを挟んだを挟んだ対岸、チリ領のナバリノ島Isla NavarinoにPuerto Williamsという村が存在します。ウシュアイアでは地球の果てFin del Mundoとのキャッチフレーズをよく目にすることになります。首都ブエノスアイレスから約3000km、飛行機で約4時間の距離です。

空港ターミナルビルは近年新築したと思われる木造の洒落たものです。ブエノスアイレスの2空港も2000年に新ターミナルが供用開始となったばかりですが、こちらもこの「ミレニアムプロジェクト」の一環で建て替えたのかも知れません。空港から市街地までは約4km、バス路線がなく、歩く気力がなければ(ある訳ないな)タクシーを使うしかありません。空港から市街地までは4ペソの固定料金、逆方向も概ねその程度です。

市街地は傾斜地で、海岸線と直角の道路はかなりの勾配です。海岸線から2番目の平行道路San Martin通りがメインストリートで、約500mに亘って商店やホテルが建ち並んでいます。この通り沿いには観光案内所があり、なんとこんな地球の裏側でも日本語の案内を用意しています。しかしそれもその筈、日本人観光客が結構多いです。物好きは我々だけじゃないんですねぇ。

市内ではブエノスアイレス同様日本車の姿を見ることは殆どありませんが、同じく首都ではまず目にしなかった韓国車をここでは頻繁に目にしました。三菱そっくりの現代、スズキそっくりの大宇。何故この最果ての地にのみ韓国車が多く分布しているのかよく分かりませんが。



ウシュアイア空港ターミナルビル ■拡大 ターミナルビル内部 ■拡大
ハングルのみで書かれた車内の説明 ■拡大

市内バスは、「LINEA URBANA」つまり「市内線」程度の意味の表記をしたマイクロバスがその意味で、市内からやや離れた観光地である国立公園とマルティアルMartial氷河へは「LINEA REGULAR」と書かれたバス(実際はワゴン車)が運行されています。後者のRegularとは、何が「普通」なのかよく分かりませんが。前者を利用することはありませんでしたし、不覚にも写真に撮ることも忘れてしまいましたが、日本では昔懐かしいマツダパークウェイを見たような気がします。後者は何度か利用しました。ラインアップは僅かな日本車と多くの韓国車でしたが、韓国車に乗車して呆れたことがあります。右に掲載した写真ですが、これは座席の展開方法の説明書きです。なんと、輸出用にも拘らずハングル表記しかありません。

下の写真は、市内の乗り場に集うLinea Regular達ですが、2台目の三菱デリカに見えるのは現代。3代目のマツダボンゴに見えるのは、実際にマツダボンゴです。一度このボンゴに当たりましたが、乗車中にオーバーヒートで数分停車と言うアクシデントが・・・。10年以上使っていそうな代物で、そろそろ寿命でしょうか・・・。修理のあと、運転手氏が我々に「この車は日本車だよ」と言いましたが、あれはもしかして「日本車駄目じゃん!」という意味か??ボンゴの後ろにマイクロバス(マツダパークウェイ?)がいますが、これが実際に使用されている場面には遭遇しませんでした。

観光都市だけあり、観光バスは頻繁に目にしました。これもまた三菱エアロバスそっくりの現代車が多いという状態。高いサービスレベルで覇を競う長距離バス同様、車体には車内設備を示すマークをずらりと描いたものが殆どです。・・・もしかしたら見た中には長距離バスを観光バスと見間違えていたものもあるかも知れませんが。


参考リンク:Ushuaia Internet(スペイン語)



市内の乗り場に並ぶ「LINEA REGULAR」 ■拡大 観光バス ■拡大

元監獄&船舶博物館
Museo Marítimo(Maritimo) y Presidio de Ushuaia

この博物館は市街地東端に位置し、その名の通り昔の監獄を利用し、監獄の様子と、嘗て周辺で活躍した船舶模型などを展示しています。入場料は9ペソ。

監房を利用した展示室 2Fの看守は人形です(笑) ■拡大 展示には利用されずに放置された監房 ■拡大
刑務所内、手前が洗面所及び小用トイレ、奥がシャワー室、最奥が大用トイレ ■拡大

入ってすぐの部屋は普通の展示室の趣で、船舶模型や先住民の暮らしの様子などが展示されています。周辺海域の海難事故マップがあり、無数の×印が付いているのはちょっと怖い。

その次の展示スペースは、監房を利用したものです。展示に供されている棟は改装されていますが、利用されていない棟も残り、そちらは一部が崩れたりしたまま電灯も無く放置されています。これはこれで刑務所時代の面影を偲ぶための演出なのでしょう。

ここでの展示内容は、刑務所での生活の様子や、名物囚人の紹介といったものが中心ですが、その他にも南極探検の紹介や、ご当地の産業の紹介など、非常に多岐にわたり様々な展示がなされています。説明書きには英語が付いていたり付いていなかったり。窓には格子を嵌める訳ですが、その格子は壁の中で横に通された筋に引っ掛ける形にされ、格子を引っ張っても抜けないようにされているというのが印象的でした・・・が、監獄博物館の類を見るのは初めてなので、これが標準的なのかも知れません・・・

監房は刑務所時代を再現した部屋が幾つかあり、そこに囚人の人形が置かれているものがあります。中を覗くと恐ろしい形相でこちらを睨んでいるので驚きます。

左写真のように、トイレ浴室も見ることが出来ます。一番手前の部屋に洗面台と小便器が並び、その奥にはだだっ広い部屋の頭上にシャワーの噴出口が多数並んだシャワー室、そして一番奥には、隣同士は仕切ってあるものの扉のない大用トイレがあります。大便器は和式に近い形状でした。

屋外には囚人鉄道の車両が展示されています。これは囚人を労働力として行われたこの地の開拓の、資材輸送のためにやはり囚人たちの手で建設されたもので、市街地と西部の現国立公園である森を結んでいました。現在は廃止され、市街地にその痕跡を見ることは(多分)出来ませんが、国立公園内の線路が観光用として残され、乗車することが出来ます。

機関車と客車のセットの他に、もう一台機関車がありましたが、こちらは今になってよく考えてみると、鉄道車両ではなく自動車ではないかと言う気も・・・しかし今となっては確認する術がありません(汗

囚人鉄道機関車+客車 ■拡大 囚人蒸気自動車? ■拡大

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