2009/4/7作成
2009/3/22探索
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道路
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静岡県道288号(1)
├沿革
└大嵐駅〜夏焼
静岡県道288号(2)
└夏焼集落
静岡県道288号(3)
└廃道区間(1)
静岡県道288号(4)
└廃道区間(2)
静岡県道288号線は大嵐駅と佐久間ダムの間を、天竜川(佐久間湖)の左岸に沿って結ぶ道路です。しかしながら大嵐駅附近の夏焼以外に沿道に集落等は存在せず、上記2地点間の結節は対岸の長野県道・静岡県道・愛知県道1号線で目的が達せられるため必要性が無く、土砂崩れの修復が行われず完全に放置されています。
また、佐久間湖の湖底に沈んだ付け替え前の飯田線の線路は、この道路と同じく左岸を通っていました。佐久間湖の水位によっては廃線跡を見ることが出来ます。
大嵐側の僅かな区間ですが、辿ってみた結果を御紹介します。
まずは新旧の地図を並べてみます。現在の地図の「夏焼隧道」は飯田線旧線から転用された道路です。従って新旧の地図では全く同じトンネルとして描かれている筈なのですが、飯田線時代は何故か湾曲して描かれています。
実際には新図が正しく、トンネルは直線です。但し勾配の変化はあるため、入口から出口は殆ど見通せません。
また、実際には夏焼隧道の大嵐駅寄りに別に栃ヶ岳トンネルがあるのですが、旧図では描かれていません。これは5万分の1図故の止むを得ない省略でしょうか。
では、歩いてみます。
前日名古屋に用事があったので、一泊してここで遊んでから帰ろうと思ったのですが、日頃の行いが悪いせいか大雨です。
それでも折角来たのだから行けるところまで行ってみようと、予定通り大嵐駅で下車。
大嵐駅舎。水窪町域(つまり現在は浜松市!)にありますが水窪町側に人家は殆ど無く、川の対岸の富山村の玄関口として有名です。富山村が富山村であった頃は地方交付税によりかなり財政的に豊かだったこともあり、この駅舎は富山村が整備したものです。また、村の中心まで村営バスが出ていますが、それも無料でした。豊根村に吸収された今となっては普通の有償バスになっていますが…。
中央の入口が待合室、左の入口がトイレですが、庇は中央入口上部にしか付いていないため、待合室からトイレに行こうとすると濡れます。こういう詰まらない気配りの欠如が悪天候の時には堪えます。
写真が傾いているのは、片手に傘を持ちながら、しかも風に煽られながら撮影したためですと言い訳。
この写真は傾いてるだけだからまだいい方で、今後レンズが濡れてしまって見辛い写真が度々現れますが御容赦下さい。
大嵐駅から南に(前の写真から右方向に)100mほどで夏焼隧道の手前のトンネルに到達します。きちんと全体を写していませんが、ほぼこの地点の真左で飯田線が新線付け替えトンネルである大原トンネルに入って行きます。
右に見えるのは旧線時代のプラットホームですね。奥には夏焼隧道手前の栃ヶ岳トンネルが見えます。
栃ヶ岳トンネルまでの区間の道の両脇はこのように廃車が大量に打ち捨てられています。ボートまで…。
栃ヶ岳トンネル。短いので向こうの夏焼トンネルまですぐ見えます。
内部。亀裂が走ってますが大丈夫ですかね。
2つのトンネルの間にも廃車が。右の建屋は車庫のように見えましたが、シャッターが下りており様子は窺えません。この中にも廃車が?それともきちんと使っている?
それでは夏焼トンネルに入ります。栃ヶ岳トンネルと違って長いので、照明が用意されています。
右下にごちゃごちゃ書いてある看板は…
トンネル出口は佐久間湖の水位によっては水没するという警告です。勿論夏場に異常増水した場合であって、今の時期なら関係無い筈です。
後述するようにこのトンネルはこちらから見て基本的に下り勾配なので、トンネル出口附近が水没する恐れがあるわけです。暗がりを突っ走って行って水に特攻してしまうのも悲惨ですが、出口附近で罠に気付いて寸前で停止したとしても、転回出来ないので1km以上ひたすらバックする羽目になります。平面形状は直線ですが、うんざりしそうです。
因みに今日どうしても来たかったのは、佐久間湖の渇水期が冬だという情報をネット上で見掛けた(雪解け水対策なので至極当たり前ですが)ためです。水位が低ければ低いほど飯田線の痕跡が沢山水上に現れることになるので。尤も冬も終わりの時期の上、この雨で着実に水位が上がりそうですが…。
単線幅なので車が来たら避けるのが大変なので、滅多に来るものではないとは思うもののちょっと緊張しながらの約1.5km。大嵐駅から見て反対側が低くなっているので単純に片勾配で掘れば良さそうなのですが、最初少し上り、後はひたすら下り、最後で平坦になるという変わった縦断面構造です。最後の「平坦」はもし本当の平坦だと排水が悪いので、実際には緩い下り勾配の筈ですが。
尚、トンネル内は素掘りにコンクリート吹き付けという部分も多く、雰囲気が出ています。一方で上部は鉄板で巻き立ててあったり。補強の役に立っているとは思えないので、漏水が通行者の頭上に落ちないようにする雨樋の役割でしょうか。
路面は両端を残して中央部を舗装し、残された両端を側溝代わりにしていますが、中央付近の一部は舗装が綺麗に直され、両端には側溝蓋が設置されています。
トンネルを抜けると正面はすぐ佐久間湖。本来ならここに橋が掛かっていて線路が渡っていた筈ですがその経路は存在せず、道路は左右に分かれます。左が佐久間ダムまで続くr288の続き、右が夏焼集落への道路です。r288のこれより先は放棄されており、今通って来たトンネルがこの夏焼集落へのアクセス路としてのみ機能しているのは周知の通り。
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